2013年11月05日

London Pigeon’s Art Views Vol.4

今日はロンドン中心部のトラファルガー広場(Trafalgar Square)での集会の日。National Galleryの目の前のこの広場は、かつてハトのメッカとして知られ、子供達や観光客にハトの餌を売る業者も多く、ピーク時の昼時には4000羽が集った広場でした。

ところが2003年に当時のロンドン市長のKen Livingstoneによって罰金を伴うハト餌付禁止令が発せられると、その数は一気に200羽に減少。更に市長はHarris Hawk(鷹の一種)を毎日昼時に見張り番として雇ったものですから、今ではもう恐ろしくてうっかり近づけない場所にしまったんです。 市長は、“周辺環境を汚し、衛生上よくないから、ハトを追放する”って。ハトに言わせれば、人間程あからさまに環境を破壊し、様々な交通手段の使用や物品の移動によって病原菌をまき散らす生き物もいないと思うんですけど。とはいえ、そんな人間達に依存しながら我々ハトの多くは生きているんです。

集会は鷹の現れない午後3時。東ロンドンの家から3.4マイル程の距離ですが、そんな訳で気を引き締めていきます。でもせっかくセンターに行くのですからまずはWaterloo橋に飛んでテムズ川を眺めてから行くことに。

橋の手前の王立裁判所に差し掛かると向かい側の70年代のオフィスビルに“The Moving Museum”という表示が掲げられています。こんなところに美術館あったかなあ?と早速入ってみます。


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The Moving Museumの入り口


床のカーペットは剥がされ、むき出しになったコンクリートの壁や天井からはパイプや配線がぶら下がっていて、もはや空間そのものが現代美術作品。 ハトの巣作りにも良さそうな。The Moving Museumというのは色々な国を廻る移動式の美術館ということのよう。トイレから何から機能的なものが全て取り払われた広大な展示会場では31名の作家による200点もの作品が展示中。


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"From WOWOW! to NOW NOW!, Part 1" 2013 ©LuckyPDF


スケールの大きい絵画や彫刻が並ぶなか、メディアオフィス?のような空間が現れます。学校のバナー、パブの看板、積み上げられたTV、イベントのポスター。よく見るとTVに映っているのは通常のTV番組ではなくてアーティストやその作品をテーマにした番組の数々。この作品は南東ロンドンを拠点にグローバルに活動するLuckyPDFのインスタレーション。LuckyPDFは、地元の作家やそのコミュニティ、学校とのコラボレーションなど、南東ロンドンのアートシーンをTV放映やネット中継などのメディア手段を使って拡散するアート•コレクティブ。


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"Hell Screen" 2013(一部分) ©Sam Austen


同じメディア•アートでもこちらは、Len Lye(1901–1980)やOskar Fischinger(1900–1967)などの初期の実験映画やキネティック•アートのパイオニアから影響を受けたというSam Austenの作品。Austenの揺れ動く彫刻作品と投影、 色鮮やかなSFコミックを彷彿とさせる映像作品はまるで一昔前にタイムスリップしたかのよう。


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"Still Life" 2013 ©Samara Scott


地中海地方の壁画のような明るい色彩の絵画はSamara Scottの作品。一見、床や壁に絵画が並べられているように見えますが、実は床の絵は直にそこにあったカーペットの上に描かれ、壁画は直接ビルの窓ガラスに描かれています。


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"Still Life" 2013(一部分) ©Samara Scott


近づいていってみると、ほら、Scottの絵の中に車や人の行き交う夜のロンドンの町並みがとけ込んでいます。
夜のロンドン?おっと、時刻はもう午後5時半!集会のこと、すっかり忘れていました。でも大丈夫、集会の後のアフターパーティーが広場近くの St James's Parkで行なわれ、ディナーを用意してくれる餌付けのおじさんが現れるのも6時前後という情報はキャッチしています。今から飛べば余裕。
それではまた次回!



posted by ハト_pigeon at 14:45| Comment(0) | 日記